●055 美しきエレン うつくしきえれん 〇かたなをれそやもいまはつきぬ

 表題:美しきエレン
 読み:うつくしきえれん

 収録:(A)共益ボーカル 530 共益商社 1929(S.3).8.4 ◎Copy=(P67)

 記譜:女声独唱及女声三部合唱(伴奏付き) ト長調 4/4

 インチピット:ミ|ミレミ|ドララ|ラシド|レ

 曲:ブルッフ,マックス(Bruch, Max)(1838-1920)[ドイツ]
 原曲:「美しきエレン(Schon Ellen*)」Op.24
 編曲:若狹萬次郎
 詞:犬童球渓、若狹萬次郎(共訳)


[詞] ※共益ボーカル 530より

(エドワード公)
  刀折れ征矢(そや)も今は盡(つ)きぬ
  何か秘めん 頼む兵糧(かて)も明日(あす)を待たず 如何にか爲(な)すべき
  救援(たすけ)の軍兵今宵し來らずば
  落城遂に避け難し 覺悟はいかに
(合唱)
  あなあはれ 兵士(つはもの)盡(ことご)と頭うなだる
  折しもそこに佇(たたず)む乙女エレン
  花如(な)す顔ばせ 月如す其眉
  俄(にわか)に立ち上りていとも聲高らかに
(エレン)
  やよ聞けや兵士(つはもの)! あれあのひびき
  カンペル勢の軍歌のひびき 救援(たすけ)の軍勢!
  嗚呼!間近に來れり
  ひびく物音軍歌のさけび 我等の援軍(すくひ)來る!
  ひびく物の音(ね)軍鼓(ぐんこ)のひびき カンペル勢來る!

(エドワード公)
  乙女よ!汝(な)れは何に迷ふ
  見ゆる限りは 枯れし小草(をぐさ)の茂る野邊ぞ
  旗か 非ず 枯れし尾花
  待つとも何の甲斐かあらん 今宵共に城を枕
(エレン)
  聞けや物の音(ね) 軍歌のさけび とよむ哄(とき)のこゑ
  靡(なび)く旗影 軍鼓のひびき カンペル勢來る
(合唱)
  ひびく物音 軍歌のさけび とよむ哄(とき)のこゑ
  靡く旗影 軍鼓のひびき カンペル勢來る
(エレン)
  尾花と靡く旗の林 雲霞(うんか)と寄するカンペル勢
  衝(つ)きて進む鑓(やり)の穂先 いきほひつよし
(合唱)
  敵の軍勢雪崩を打ちて 逃げ行く後にエレン歌ふ
(エレン)
  御~の惠み讃へん 救ひの御~讃へん
(エレン&エドワード)
  うれし我等の祖國永久(とわ)に永久に安し
(合唱)
  御~の惠み讃へん 救ひの御~讃へん
  うれし我等の祖國永久(とわ)に永久に安し

  ※注 哄のこゑ 鬨のこゑの誤り?


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